洪水・水害後の対応

洪水が迫る様子

洪水や豪雨などの水害が発生すると、家に直接の浸水被害がなくても、上下水道をはじめライフラインが止まってしまうことがあります。
雨がたくさん降るのと水道が止まる関係性を疑問に感じるかもしれないですが、水道局の排水ポンプが水没すると広域にわたって断水が起こります。
洪水・水害による断水は、道路、マンホールなど幅広い設備の確認作業が必要なので復旧までに時間がかかります。

 

災害によって断水した場合、水道局の対応を待つしかないので、私たち一般家庭にできることは災害用に飲み水のストックをしておくくらいしかありません。
断水したら、復旧するのを待つ流れになりますが、普及した直後の水道水は空気や汚れが混じっていてトイレの故障に繋がるケースがあります。
2018年の西日本豪雨では、断水が復旧してから最初にトイレを流して故障するトラブルが相次いで注意を呼びかけるTwitterに大きな反響がありました。

 

断水が復旧したら水を出す順番に注意

断水復旧後トイレをすぐに流さない

西日本豪雨の後では、断水後にトイレを最初に流してタンクやウォシュレットが故障するトラブルが相次ぎました。
トイレメーカー大手のTOTOでは、断水からの復旧直後にトイレを流すことの危険性を訴え、なるべく屋外の蛇口など、汚れ、異物、空気が混ざった水が出ても影響がない場所から水を流すことを推奨しています。
トイレを流して問題が生じる理由は、タンクの構造と水に空気が混ざった際の影響が関係しています。

 

トイレを最初に流してはいけない理由

 

トイレの故障で多いのがタンクとウォシュレットです。
最新モデルではタンクレスのトイレもありますが、大半の家庭では便器の後ろに水が溜まるタンクが設置されています。
トイレのタンクは溜まる水の量を調整するボールタップ(浮き球)があり、トイレの水を流す際に最適な水量しか溜まらないようになっています。
断水によって普及工事が行われた場合、工事の影響で水に空気が混ざってしまうことがあります。

 

もちろん水道工事をする際は水抜き作業を行っていますが、洪水や水害など広域の復旧作業が必要な場合は、水抜き作業が不十分になるケースが多いです。
断水直後で水に空気が混ざっていると、トイレのタンク内に空気が入ってきてタンク内が波を立てたように揺れます。
ボールタップの浮き球も空気の影響で正常な位置で作動せず、適切な水量を維持できなくなってしまいます。
タンク内の水量が不適切もしくは空気が混ざっている状態でトレイを流すと、トイレタンクからうまく水を流せない不具合が出たり、ボールタップなどの部品が破損したりしてしまう恐れがあります。

 

ウォシュレットの場合は、水を通すラインやタンクが小さいため、わずかな空気が混入しただけでも機械的なトラブルを起こします。
ウォシュレットには小さなタンクがある貯水式とタンクがない瞬間式がありますが、TOTOによるとウォシュレットの種類を問わず、断水後の水や異物が混入した状態で使うと故障の恐れがある注意喚起をしています。

 

トイレ以外のリスクは?

 

TOTOや東京都水道局など、複数のメーカーと水道関係者が、断水後はなるべく設備がないシンプルな水道から水を流すように呼びかけています。
異物混入のリスクもあるので理想は屋外の水道です。
屋外に水道がない場合は、キッチンや洗面所などの蛇口から給湯器を切った状態で水を流しましょう。
トラブルの報告事例が多いのはトイレのみですが、給湯器や水道水を使用するウォーターサーバー、お風呂の自動運転、食洗機なども故障の恐れがあるので、最初に使わないように注意してください。

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